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<関節リウマチについて>

関節リウマチは関節に炎症(火事のようなもの)が起こり、その結果関節が腫れて痛くなる病気です。関節内の炎症が続くと、関節の骨が徐々に溶けて崩れてきてしまう(関節破壊)といった問題が起きてきます。つまり、関節リウマチは放っておくとどんどん関節が壊れ、日常生活に支障をきたす恐れのある病気なのです。

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​正常の関節

関節は骨と骨が繋がっている部分です。曲がる部分ですね。関節の骨と骨が横にずれてしまったりすると、上手く曲がらなくなってしまいますので、関節の骨と骨は ずれないように 靭帯などで出来た関節包と呼ばれる支持組織で固定されています(包帯やサポーターでぐるぐる巻きにして固定されているようなものです)。

また、骨と骨の間には関節にかかる衝撃を和らげ かつ 関節が滑らかに曲がる為に必須である軟骨があります(骨の表面にひっつき、クッションの役割をしています)

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​発症初期の関節リウマチ

関節リウマチになると、この関節包の一番内側にある"滑膜” と呼ばれる薄っぺらい膜に 炎症 が起こるのです。

炎症は火事のようなもので、炎症が起こるとその部分が赤く腫れて痛くなります。熱を持つのも特徴です。

なぜ滑膜に勝手に炎症が起こってしまうのか、根本的な原因はまだ分かっておりませんが、関節の中に「サイトカイン」と呼ばれる火事の火種になるような物質が沢山出てきてしまっているという事が分かっております。

因みに、関節リウマチの初期では滑膜のみに炎症が起こっている状態であり、骨や軟骨 には影響はありません。

その為、レントゲンを撮っても明らかな異常が見られないのが特徴です。

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​進行期の関節リウマチ

リウマチによる関節の炎症を放っておくと、滑膜の炎症が強くなり、滑膜の細胞が増殖していきます。増殖した細胞は火事の火の手が燃え広がるように周囲の軟骨や骨を侵食していき、徐々に軟骨や骨が崩れて行ってしまいます(火事の炎で軟骨や骨が溶けていくようなイメージです)。

軟骨が溶けてしまうと、骨の間にあったクッションがなくなってしまうため、周囲からの力によって関節の骨と骨が ガチガチとぶつかるようになります。その結果、関節が曲げにくくなり、関節のずれ も見られるようになってしまします(いわいる関節破壊 が進みます)。

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​晩期の関節リウマチ

関節内の炎症の影響で、軟骨は全て溶けて無くなり、骨の表面も溶け崩れてしまいます。骨の間の軟骨がなくなると、間のクッションがなくなってしまいますので、周囲の力によって骨と骨が直接合わさってしまうようになります。

表面が溶けた骨同士が長時間合わさっていると、その部分が一つにくっついて繋がってしまう という現象が起きます(骨の癒合)。その結果、関節を曲げることができなくなり、関節の変形を来してしまいます。

 残念ながら、なぜ関節内に炎症が起こるのか、根本的な原因はまだはっきり分かっておりません。ですので、これをやれば治る!といった根本治療がまだ無いのが現状です。

ただし、この十数年で関節リウマチの治療は様変わりしており、様々な治療薬の登場と共に、根本的には治せなくとも、ほぼ治ったような状態(寛解の状態と言います)にまで改善させる事が出来るようにもなって参りました。

もちろんどんな薬も万能ではなく、効果にも個人差があったり、副作用が出現してしまったりなど、治療が上手くいかない場合もありますが、関節リウマチになってしまったからと諦めずに、まずは寛解を目指して治療に励んで頂ければと思います

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